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1914年から1933年まで・・・ドイツで起こった出来事を「どうして、それが、起きたのか?・・・」市井の一人の女性に、パール・バックがその経験を聞きます・・・
1947年、日本の降伏で第二次世界大戦が終結した直後に、出版されています。276ページの、ぎりぎり最後の最後まで、ぎっしり細かい字で余白なく、書かれていて、最初は、ぜんぶ読めるかな??と思いましたが、英語は難しくなく、単語も簡単で、一気に読めます。これは、パール・バックが知り合いのドイツ人女性(アメリカに戦中に移住した)Erna von Pustau さんに、「なぜ?どうして?ドイツは、二つの大きな戦争をしたのか?」「1914から1933までに何が起きたのか?」と、疑問をなげかけ、彼女が、それにこたえる(対話形式、会話のみ)で、全頁が進行する。とはいえ、パール・バックは、ところどころ、簡単に質問するのみで、本書は、ほとんどが、Erna さんが、しゃべってしゃべって当時のドイツを伝える会話のみで成り立っている。なので、読むことは、難しくない。会話文のみで、時代考証や、文献考察、解説などは一切ない。すべてが会話。とにかく、Ernaさんの迫力、パワーは半端でなく、猛烈にガンガンしゃべるので、さすがのパール・バックも、気おされて黙っている。パール・バックも幼少時から高校まで中国で過ごし、中国の内戦や共産軍の襲撃、日本軍の攻略侵入などを経験して、さらに日米開戦も経験しているので「なぜ?どうやって?戦争が起きたのか?何があったのか?」ドイツ人に直接聞きたい・・・という好奇心?で質問を誘導していく。1945年頃の聞き取りであるから、大戦は終結したものの、まだまだ、世界は戦場であった当時に、ここまで、達観した戦争論議??を正面から提起する書はまれだろう。とくに、アカ?に近い思想も彼女は述べるし、資本主義批判?ぽい発言もあるし、1910年あたりから1940年ごろといえば、皇帝の支配、革命、共和制、ナチズム、軍事政権と、めまぐるしく世界が動いた時期なので、当時の政治体制と、いまの共産主義政権の根本的違いも、半世紀以上たつと、定義自体が違ってくるので、その相違も、なんとなく感触でつかめる。本書の題名に関しては " What has happened in one country, to one people, can happen to any other, under like conditions. So I have called this book How It Happens." と序文で述べている。Erna さん自身は社会主義、祖母が独仏戦争の体験者で戦争反対、第一次大戦で叔父はUボートの将校その後退役、反体制派、母は熱心な親ナチス、反ユダヤ、父は革命派、反皇帝派・・・・彼女が幼少時から大学進学まで(ちょうどパール・バックと同じ世代で同時期に戦争を体験している)ドイツが、いつのまにか?気が付いたら日常のごとく身近に武装も軍備もあって、当時ヨーロッパは、軍備を解いていなかったし、その流れで戦争状態に入り、いつのまにか、皇帝は革命に追放され共和制になり、猛烈な負債とインフレ、恐慌のなかヒトラーが独裁し、ゲシュタボや強制収容所(市井の人々はその存在をあまり確実にしていなかった?とも受け取れる表現だが)のうわさが流れるなかで、彼女はスイスに移動、そこからフランスへ、そこにもドイツ軍が目前にせまり、アメリカへ・・・と。彼女が、ず〜〜っとしゃべりっぱなし・・であるから、パール・バックが、ところどころ、どうして戦争をしたのですか?と、質問を繰り返し、軌道修正するが、しゃべっているその臨場感で、つい本音が吐露され、そこが興味深い。第一次対戦においては。誰もが、すぐに終わると思っていた。サラエボの青年がオーストリア皇太子を暗殺したというのに、なぜか?誰もが?学校の先生ですら、サラエボと交戦することなど、毛頭だに夢想せず、サラエボなどそっちのけで、「イギリスは、必ず参戦する、あるいは自分の市場だけ死守するか?とか。あとは、フランスとロシア、ロシアはどうでるか?などと、ロシアの話でもちきり。なぜ?オーストリア皇太子の死とロシアとの戦争になるのか?」こども心に不可解であった。Uボートの無差別攻撃性、無敵ぶりが、人道的に批判されても、ドイツの庶民は、イギリスの海峡封鎖をやぶることが先決と。だからイギリスとは必ず交戦するのだ。と、そして、いつ?まけたのか?負けるのか?それは庶民にはわからない?が、国民はみな口が堅い。戦況が悪化しても負けるとは言葉にしない。そして、突然?負けたときの国民の反応も皇帝の対応も、底辺の階層の感慨も・・彼女が幼い時期であり、漠然としているが・・・次第に、親ユダヤ、反ユダヤに分かれていくさまと、国の経済が疲弊して生活が困窮して、猛烈なインフレで生活苦にあえぐ様子。そのあたりが、行きつ戻りつ繰り返し出てくる。どうやってナチスが国民の心に入り込んだか?そこに直接、言及できていないが、たとえば、地方によってドイツ語の方言が極端に違うので、意志の疎通が難しいが、そういう多民族をアーリア人種と呼称して総体にまとめ、無表情な鉄のヘルメットと軍靴で、しだい、しだいに国民を無口に、ことば少なくしていく様が、語られる。やがて、ユダヤ排斥を批判して、反ナチを唱える彼女はゲシュタボを逃れ、米国に渡り、そこでアメリカ社会を知る。アメリカ社会を知るにつけ「スタインベックの小説にある(怒りの葡萄)と、ドイツの小作の状況は似ている。ロシアの小作とは立場が違う。なのに?どうしてドイツは戦争で、その経済恐慌を打開しようとしたのか?アメリカのような対策はできなかったのか?アメリカはニューデールで立ち直ったのに。ドイツにルーズベルトがいなかったから?でも、アメリカは、短期間しか第一次対戦に参戦していないし、国内の損失もわずかだし、被害は受けていないし、市場が大きかったので立ち直りも早かった?ドイツの小作は、ロシアの小作とは全く体制が違う。だからヒトラーが力を持つと、その政策によって経済が立ち直れると感じたのか?いや、ヒトラーの巧妙な工作に欺かれたのか?ベルサイユ条約の戦争債が過酷に重かったのか?」と、自国がナチズムに走った原因を考えている。「アメリカは人種差別、つまり黒人と白色人種の差別でも、ヨーロッパは種族、民族の対立が根底にある。階層の違いがある。」「中産階級の、なにもしていない主婦。アメリカにもいるよね。働いていない女性。昼はラジオの流行歌か、ソープオペラを見るしか能のない暇な主婦。こういう女性が危険。ナチに走るし、反ユダヤに従う。何も考えない」・・・このあたり、へ〜〜っとうなる。鋭い指摘。彼女は学問が必要と主張する。(たぶん、自分の目と頭で時代を分析し、自分で行動したかったのだろう)親が薦める結婚を断り、大学に進学する。1945年ごろの対談であるのに、最終章。はや、原爆について述べている。どうして、かくも、くわしく原爆を知っているのだろう??驚く。ナチの将校の手記に、すでに原爆の記述があったらしい。ナチ将校は原爆はファシストにとって理想的な武器であるが、投下する瞬間、自分は、手が震えるだろうか?といぶかっている。その問いを、実際に原爆を投下した若いアメリカ兵士に「投下の瞬間はなにを感じたか?」と問うたところ「I had no emotion whatever!」と答えた。どうして?何も感じないのか?・・・と彼女は続ける。「アメリカはすぐれた先進技術を誇ってしかるべきだが、This kind of modern technical warfare where you don't see the people any longer, where you have only to push a button! only to push a button!・・なのか・・・The interest, even pride, in the technical perfection seems greater than the awareness that hundreds of thousands of people can be killed by one single atomic bomb. Modern technique combined with the century-old prejudice against other people - that is the great danger in America. アメリカの危険性を、ここまで言及できるのかなあ?・・・1947年に・・・・・・え、えっ!!〜〜これが、1947年に発行された本なのか〜〜と!!驚きました。それも、女性二人の、日常の会話で・・・わたしが、この書で感じるのは、二人の女性(戦争当時は普通の女学生で、そののち主婦)が、How It Happens には、はっきりわからないし、答えられない。いつのまに?か?戦争が起こって、いつのまにか、ずるずる続いて、終わりが見えない。だれも明確に知らされていないし、市井の労働者は、自分たちが携わっている工場労働が、軍需品であったことすら、わかっていなかった。皇帝ウイルヘルムからヒトラーへと政変が変わっても、ヨーロッパの各国をみ通す視点をだれも持っていなかった。とくにオーストリアとサラエボの関係など、あまり深刻に感じていなかった・・・と、会話から、そういう、「いつのまにか〜〜」そうなっちまった!という276ページにも連綿と続く会話は、この長さ!!ゆえに貴重だと思う。276ページ!ずらずら会話して、結局、なぜ?どうして?第一次大戦から第二次大戦まで突っ走ったのか?だれも、知らない。ここに、歴史の真実と重みがあると思う!
D**E
A true story of how a middle class educated German family became brainwashed and radicalized.
Have you ever wondered how a nation could give up their democracy and come to support a fascist dictatorship? If you have then this is a must read. Beautifully written, Pearl S. Buck, recounts an extended conversation she had with an intelligent german women who lived through the events that culminated in the rise of Hitler. A middle class German family, educated, becomes brainwashed and radicalized into violent hatred of Jews, turns against democratic institutions, and against their own daughter for resisting the Nazi movement. The real question is, could this ever happen here, in the United States? Unfortunately, I believe the answer is yes. It can, and it is.
C**H
How it Happens: TDalk German People
I never received this book. As I recall I wanted to study the German inflation as I am in the process of explaining the business cycles cauded by the Federal Reaerve
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4 days ago
1 week ago