Whisper of the Heart (Mimi o Sumaseba) Hayao Miyazaki / Studio Ghibli Complete Storyboards Book [Japanese Edition]

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色々参考にしたいし、見たかったので買って正解でした。

将来の夢を持った少年と少女が出会い、そしてお互いが好きになり、手を取り合って自己実現にために努力する。この作品のテーマは何十年、いや何百年前から人間が描いてきた普遍的なものだろう。したがって、この作品の原作は少女まんがにかぎらず、少年まんがでも児童文学でも何でもよかったのかもしれない。宮崎駿という人は天才である。本書もアニメの設計図という枠組みをこえてひとつの読み物として読めば抜群におもしろい。その反面、まんが家たちが、少女の深層心理や声にならない声をいかに表現しようかと創意、工夫してきた部分にはあまり興味がないのではないかという気がする。宮崎駿が少女まんがを批判するとき作品を矮小化していると批判がでるのもそのためではないかと思う。(興味のある方は文春文庫　ジブリの教科書９　耳をすませば　参照のこと)いずれにしても本書は、宮崎駿が少女まんがを換骨堕胎し、アニメの設計図として再構成したものである。しかしながら、宮崎駿が不要として切り捨てたものの中にこそ一番少女まんがらしい部分があるのではないか？そんな気もしている。